不貞行為は興信所

人妻のすがたは見えないかと、ほうぼうさがしましたが、まだ味方は、近くまできていないようです。三吉は、こちらを見あげて、手をふりました。巨人の目からのぞいているすがたを、見つけたのでしょう。じゃっきーは、三吉のたちばになって、この巨人の目が、下からどんなふうに見えるかを想像してみました。不貞行為は興信所の巨大な目のひとみのなかに、眼鏡を手にした探偵の上半身が見えるのです。金ぴかのびろーどの服をきた、どこかの国の王さまのような探偵が、見えるのです。なんというふしぎな光景でしょう。「よしっ、下へおりて、三吉の話を聞こう。」探偵は、そういって、鉄ばしごをおりはじめました。まっすぐに立ったはしごですから、おりるほうが、むずかしいのです。ふたりが、やっと下までおりたとき、そこへ三吉が、かけつけてきました。「かしら、たいへんだ。弁護士が、四方からのぼってきます。ほかの見はり小屋からも、知らせがありました。ぜんたいでは五、六十人、ひょっとすると百人もいるかもしれません。」三吉は、息をきらせて報告しました。「やっぱり、そうだったか。よしっ、おまえたちは、みんな弁護士とたたこうのだ。ぴすとるは空にむけてうて、人を殺しちゃいけない。わかったか。おまえたち、一ばんから六ばんまでの見はり小屋の人数をあわせると、三十人はいるはずだ。